Sunday, February 15, 2009

Sounds came from USB reel-to-reel tape decks.

 





"Open Reel Ensemble" in The National Art Center, Tokyo !!
 
今日が国立新美術館での最後の展示 / ライブとなりました。最終日なので、午前中よりデモを行いたいと思います。土日は1日で約7000人の入場者ということで、窮屈ですがもの凄い活気に溢れています。自分の作品はマニアックだと思っていたところ、連日大盛況で逆にこちらが驚いています。そして、特に海外の方の反応がとても良く、絶叫しながら興奮して手を叩き、時には笑い、踊っている方もいました。USBオープンリールで音を奏でれば、その不可思議な磁気音楽は空気中を伝って耳の奥の奥へ・・。
 
しかし実は頭の中には次なる発展が浮かんでいるので非常に歯がゆい。今すぐにでもプログラムを書き換え、新たな回路を半田づけしつつ、図形楽譜で作曲し、次なるパフォーマンスへシフトしたくて仕方がありません。でもそれはこれからのお楽しみ。では残りの1日頑張りたいと思います。(写真上:堀之内毅 / 澄毅, 写真下:Xinjiroh)
※今後のライブ日程の詳細等決まりましたら、このブログにて報告させて頂きます。
 
 



 
【幾つか期間中面白かったことをメモ】
 
▪ オープンリールをi-Phoneで遠隔操作、高速にスイッチングして酷使し、演奏しているのですが、ノッてくるとi-Phoneのバッテリーがすぐに切れてしまいます。i-Phoneも酷使していました。
 
▪ 5歳くらいの子どもがオープンリールを見て「ママ見て、古いコンピューター!」と言っていました。びっくりしました。時代性というファンタジーは着実に子どもの意識の中に再生産されているようです。子どもにとっては全てが新しいものなはずなのに・・!
 
▪ 偶然にも最近女優の沢尻エリカさんと結婚したハイパーメディアクリエイターの方とお会いしました。新美術館に彼の友人の方が来ていて僕を外に連れ出したのです。その後、作品のビデオを見せて、本人から「これ面白いよ!」という誠に嬉しいお言葉をもらった際に、僕の脳裏では「ここでもし仮に、 "別に。" と返したら僕の人生は終わる・・。」という危機感がよぎりました。別に終わらないか。それにしても光栄で素敵な出会い、感謝です!
 
▪ どうやらお笑いのオードリーの春日さん(テクノカットの方)がメディア芸術祭にプライベートで来ていたようです。ブログを見ると、付近で写真を撮っています。自分がいなかったのが悔やまれます。春日の"あの声"をサンプリングしてスクラッチしたかった・・。
 
▪ ギャルの方々にも評価して頂きました。「まじちょーいいんだけどー。」と言ってきてくれて。年配の方々からも「素敵です。」という反応を頂けて、普段全く違う価値観や文脈の中に生きているであろう人達の不思議な接点を感じました。声をかけてくださった方々の好みもそれぞれ。ノイズや現代音楽、アート寄りのポップス、クラブ・ミュージック好き。確かにこれでノイズやごりごりのダンス・ミュージックもやってみたいなあ。音楽なんて、気持ちよければジャンルは関係ない!!ごちゃ混ぜブリコラージュ。生バンドとのコラボレーションは必ず実現させたいです。
 
▪ とは言うものの、やはり一番の理解者(こっちが逆に理解者なのかも。)はオープンリールを同時代に扱っていた親父さん達です。「なるほどねえ、3ヘッドだから、こういうことができるわけだ。よく改造したねえ!」と、ミソの部分を共有します。「そうそう、そうなんですよ。」とお互い興奮しながら、しばしマニアックな会話。
 
▪ 会場で最も多い質問は「何故テープレコーダーなのか?」です。答えは「仕組みの面白さ」です。物理的な磁気録音の原理に大変知的で興味深いものを感じました。「仕組みの面白さ」は世の中を支えるあらゆる技術、または社会そのものの中に潜んでいます。そして、実は時代の流れの中で面白い技術や発明が忘れ去られることが多々あります。しかし、単線的な歴史観ではなく、もしその技術や発想が別のベクトルで残っていたら・・その考えがUSBオープンリール開発のきっかけです。
そうして自由に空想を膨らませ、実現させることができるのがアートの魅力なのではないかと思います。そして最後は"だってかっこいいんだもん!"です。新しいか古いか、というA/非Aの二項対立だけでは語れない領域が広がっています。
 

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