Monday, October 26, 2009

足裏は知っている

 


音楽の友人達とともに福島県いわき市へ温泉旅行&巡礼。なんとも嬉しいことに、いわき出身のパーカッショニストAsa-Changが出演するステージに関係者の方より招待を受けて観に行く。タップダンサーの熊谷和徳さんの舞台に、Asa-Chang、チェリストの丸山泰雄さんといった方々が参加、エネルギーに満ちた舞台を体感してきた。
 
この公演のために谷川俊太郎さん本人が朗読したという詩が珍妙なエレクトリックサンプラーマシンから流れ、そこに情熱的なタップ、打楽器のグルーヴ、空間を染めるチェロ、写真VJが絡む。土の匂いのする混沌とした深い音像の中から響き渡る谷川俊太郎さんの言葉がとても印象深い。彼は言う・・
 
 
 
『舞台に 舞台から』
 
土足で上がるのだ 舞台に
田んぼと劇場を地続きにするのだ
足裏は知っている
坂の下 奈落の下 コンクリートの下
人々の意識の下に この星のマグマがたぎっていることを

出て行くのだ 舞台から
風神雷神となって創造の嵐を起こすのだ
タマシイは知っている
目に見えないもの 耳に聞こえないもの
コトバにならないものが 誰にでもひそんでいることを
 
谷川俊太郎「アリオスに寄せて」より
 
 
 
全ては大地に通じる。"耕す"という言葉を英語に翻訳すると"cultivate"と出てくる。これの名詞(耕すこと)にあたるのが"culture"・・"文化"と翻訳される。英語圏において、田んぼと人々の創造的活動は密接な繋がりを持っている。文化は継承しながらも常にその土地土地で変容していく。その時、そこに暮らす人々が、継承と輸入から刺激を受けつつ新たな創造性の嵐を起こすことで、様々な表現が生まれるのだろう。そしてその創造の根幹には、あの何とも言えない心の化学反応が揺らめいている。足裏は大地の鼓動を知っているし、タマシイは心の鼓動を知っている。自らの足裏とタマシイの導きを忘れないように・・。

そんなことをぽつぽつと考えながら宿舎に戻った我々は温泉に入り、モツ煮込みを喰い、アルコホールを体内に入れて明け方まで騒いだ。そして「創造の嵐を起こすのだ!」と数十回叫んで爆睡した。
 

2 comments:

Unknown said...

いわき行って来たんだ!
友だちのスペースも見て来て欲しかったなぁ
party
http://www.sekaikan.net/

Ei Wada said...

Xin さん
 
そうなんです、行ってきましたバスに揺られて。
Xinさん繋がりのアートスペースがあったとは知らなかったです。残念〜。