

新プロジェクト開門。ベンディング・オープンリール・アンサンブル。
物理空間上でアルゴリズミックに展開する動きと音のパフォーマンス!!
粉川さんのウェブサイトを読んでいたら、哲学者であり文明批評家のイヴァン・イリイチが『コンヴィヴィアリティのための道具』の中で述べている言葉が出て来た。
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「道具」(テクノロジー)は、通常、いま有力な産業に役立つ目的でばかり作られ、使用されるが、そうでない道具と使い方があり、そういう道具を「コンヴィヴィアルな道具」と呼ぶ。それは、「用いる各人に、おのれの想像力の結果として環境を豊かなものにする最大の機会を与える」
(『コンヴィヴィアリティのための道具』日本エディタースクール出版部, 1989年)
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確かに素晴らしい言葉だ。これを読んで僕が直感的に感じたこと、それは有力な産業に役立つ目的ばかりでつくられている道具を、異なった使い方をしてみる、というその使い方のひとつに「楽器」があるのではないだろうか、ということだ。「楽器」は人々の間にコミュニケーションを生む。また、決して多くの道具のように便利であることばかりを追求していない点も面白い。
久保田先生が、これを「脱人間中心主義」という言葉で表していたのを思い出す。「楽器」は人間の側が変わる可能性を提示している。便利さという尺度ではなく、訓練することによって相互作用し、道具と人が一体化していくところに真髄があるというのだ。そうして考えてみれば、イリイチの思想はベンディング・カルチャーにも通じている気がする。
アートは常にテクノロジーを応用し、そこに産業構造とは異なる価値の可能性を見出してきた。今私がやろうとしていることは、まさに既存の機械を「楽器」に変え、イリイチの言う「コンヴィヴィアリティ」(楽しい集い)のための道具を追求することかもしれない。その第一弾として、私は需要がなくなり忘れ去られつつある磁気録音機に着目中。
Poster Design by Kimitoshi Sato
1 comment:
希望大家都會非常非常幸福美滿快樂健康美麗更希大家活力無限........................
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