Wednesday, July 02, 2008

今日のファンタジー

 
新幹線に「Hack」という落書きがされて運休中止になったというニュースがテレビでやっていた。このニュースが耳をかすめた時に、ふとこの前友人と話していた話を思い出した。
 

マチャチュー・・マサチューセッツ工科大学(MIT)には、学生の間に伝統的に「ハック(Hack)」と呼ばれるゲリラ的なイタズラをする文化があるという話だ。しかし単なるイタズラではなく、知的でユーモラスなイタズラをしよう、という伝統があるというのだ。
10年くらい前には、一晩のうちに校舎の屋上にパトカーを乗せてしまうというかなり大掛かりなイタズラがあったみたいだ。友人と腹をかかえて笑ってしまった。このイタズラには、ユーモラスに「こんなところに穴があるよ」と警告を発するという意図がある。
実はコンピュータにおける「ハッカー文化」も自分の日頃のずば抜けた技術や発想を使って、イタズラによって警告を発するという点においては共通している。「Hack」という言葉の裏側にある興味深い物語だ。
 
そんなことを思い出していたら、今回のイタズラもそういった狙いでやったのか?と思えるような点が幾つかある。サミットが近づき、テロの警戒態勢も強化しつつあるこの時に、列車の中では最もランクの高い新幹線にいつの間にか落書き。この行為はもの凄くバッシングされている一方で、中にはセキュリティの問題をつく声も次々と上がっているみたい。この一件でJRはテロ警戒もあって運休中止までして、ニュースでは大々的に報じられている。「Hack」の落書きの主としては狙い通りといった展開なのだろうか?
 
この手のイタズラにはユーモアのセンスに加えて知的なセンス、芸術的センスなどなど色々問われる。今回の一件はMITのハッカー文化のパロディーなのかオマージュなのか影響なのか・・はよくわからないけど、そこまでユーモアのセンスがある訳ではないよねえ。(かといってもっと過激にやれ、ということではない。やるならMITを参考に!!)
※そういえばテレビで「何故Hackなんでしょうか。Fuckのスペルミスなんじゃないでしょうか」というようなことを言っていた。いくらなんでもそれはないよー。
 
そういえば最近一部で話題になった社会派(というより社会心理学的)なパフォーマンスで面白かった映像をついでに思い出した↓異なった時間と空間を生み出すことで、そこに今まで不可視だった「都市性」が立ち現れる。
 
 

 
<参照>
 
・http://en.wikipedia.org/wiki/MIT_hack
・http://hacks.mit.edu/Hacks/by_year/
・http://hacks.mit.edu/Hacks/by_year/2006/firetruck/
・芸術テロリズム
・3分で分かる京都大学-カオスの世界-