Friday, October 23, 2009

突然の来訪者

 

真夜中バイクに乗ってやって来た突然の来訪者。高校時代からの友人で、僕は今でもその頃の友人達と会うことが多い。僕が通っていた高校は、今思うと学校というよりもサファリパークに近い感じだった。ああ、この人は生まれてくる時代と場所を間違えたんだろうな、という人たちがうろうろしていた。
 
ところで僕は彼がバイクの後ろにシャープ製のカセットデッキ、サーチャーをくくりつけていたので思わず笑ってしまった。しかし彼は平然とこう言い放った。"iPodなくしたから、買い換えたんだよね。" 確かに、これなら大きいからもうなくさないし、しかもヒズノイズのお陰で音がよい。
 
すると彼はおもむろに録音停止ボタンを押した。そう、音楽をかけていると思いきや、彼はその場の環境音を録音(サンプリング)していたのだ。このセンス良すぎの変態さ加減には脱帽。そして、巻き戻し、自分が到着するまでのバイク・サウンドをサーチャーから鳴らし始めた。そして、"ああ、いい音楽〜"と言って目をつぶって至福の時を感じている。
 
僕は改めて思う。ああ、そうそう、この感じこの感じ。この、音が病気を誘発する感じ。
 
 
Photo by Ryo Fujimori

 
そして彼と僕はそのカセットデッキを使った録音大会で盛り上がった。録音しては巻き戻し、自分らの声や音を聞いてニヤける。そうして彼は再びバイクにサーチャーをくくりつけると、録音ボタンをしっかりと押し、エンジン音を吹かして夜の闇の中へと消えていった。
彼は一匹狼の写真産卵家で、カメラ片手に行動することが多いらしいのだけど、今日もアウトバーンを走り抜け、クロソイド曲線を曲がり、労働者の街川崎を越えて、スウェーデンの湖畔へとエンジンをツイストラニングさせているに違いない。Run Run Run !!!!
 

5 comments:

RADIOMOBILITY said...

この人センス良過ぎの変態産卵家としか言い表しようがないですね!!
真っ赤なベスパにラジオですか・・・脱帽。

Ei Wada said...

コメントありがとうございます。
いやはや脱帽。もうどうしようも南無阿弥陀仏。

旧友人 said...

ブラックのクラークス、このヘルメットを選ぶセンスはまさしく変態!!
 こいつに言える事はただ一つ、VESPAは女のようにデリケートに扱え!!

               旧友人より

Ei Wada said...

旧友人さん
 
Who are you !?
そしてもはや手に入らないドイツのゲルベゾルテを吸っていたらパーフェクトだな。

RADIOMOBILITY said...

oi oi
VESPAは今までのどの女よりデリケートに扱います。
名前はSandie(♀)です。みんな、かわいがってね。