Friday, February 26, 2010

秘密のバーコーディオン

 

 
秘密のバーコーディオン
 
こんなことを言うと、おかしな人だと思われるかもしれないが、秘密のバーコーディオンについて話しておきます。
 
実在はしないクルクタールという町に、バーコーディオンという名前の、音を変調させるための機械がある訳です。
それは、ブラウン管や光チューニング器、拡大鏡などによって構成された機械なんですが、これは音を光の図形として扱い、その図形を色んな形で操作することで、音を変調させることができるマシンなのです。
 
もともとこれは、音を図形として表した場合、その図形に存在する概念で変化を加えると、どのようにそれが音に反映するのかを確かめることで、視覚世界の概念と聴覚世界の概念の間に広がる関係性の宇宙を見るために生まれた装置だった訳なのですが、それをある時コントラバスやチューバ、アップライトピアノに組み込んだ楽器職人が登場したことで、この変調器は一種の映像音響エフェクターへと変化していった訳です。
 
不可思議な周期で揺れ動く光・・幾つかの突き出したモニター・・そして、奇妙に前後する拡大鏡や光チューニング・パイプ・・ソース画面から発せられた光が屈折すると、まるで地球の裏側から飛んでくる怪電波を短波ラジオが拾うかのごとく音は歪み、それは独特の音色をつくり出す装置として機能した・・。やがて音楽家や作曲家達はその装置をこう呼んだ。"バーコーディオン"、と・・。
 
バーコーディオンが欲しい。リッケンバッカーの12弦ギターよりも欲しい。
 

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