Thursday, November 23, 2006

毒素からの脱皮

 

もはや自らの内部に溜まった毒素は、吐き出すしかない。全て吐き出すだけ吐き出して、そして弧を描くように、冬の昔に見た夢の中へとリターンしなくてはいけない。月は笑いながらそれを待っている。
(僕の予想では、散歩する惑星に戻り、内側から扉を閉めた時、月は本来の穏やかな姿へと変化するに違いない。そして、風景はまどろみとなって朝に透ける。)

昨日恐い夢を見た。
夢の中で、自分の周りの人たちがある病気にかかっていく。頭の上にいつの間にか「鍋」がついてしまう病気だ。学校や街で見かける人の頭の上に「鍋」が取り憑いていく。

そこに、昆布を全身に巻き付けた祈祷師が現れて、病気にかかった人々を治療すると言う。彼は病人を自分の周りに円になって座らせ、中央で火を焚き始めた。やがて彼はその火に勢いよく息を吹きかける。
すると、火の粉が飛び散って人々の頭に引火し、頭の「鍋」をぐつぐつと煮え上がらせる。辺りはさながら地獄絵。
次から次に鍋から蒸気が吹き出し、人が倒れていく。僕は恐怖のあまり硬直しているが、すぐに倒れている一人を起こそうとする。
すると、その拍子に頭の鍋の蓋が外れてしまう。僕は恐る恐るその鍋を覗き込む。・・するとそこには、ぐつぐつと音を立てて煮立つ、うどんのような真っ赤な脳内ソムニウムが・・!!ギャー!!と叫ぶ。

全身を駆け巡る味わったことのない恐怖・・。祈祷師が笑いながら近づいてくる。
逃げようとするが、足がすくみ逃げ出せない。そして、段々と頭が重たくなっていく。気がつくと、自分の頭にも「鍋」が取り付けられていた。恐怖のあまり時間と空間が歪み、意識が内側に吸い込まれ、目を醒ました。

ああなんて恐ろしい悪夢ーにょ。

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